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NOM POPOK は、カンボジアの子どもたちのために、美味しくて健康的なお菓子を製造、販売しています。また、このお菓子を教材に、カンボジアの小学校等で栄養授業も行なっています。
カンボジアの言葉、クメール語で、NOM(ノム)は「お菓子」を、POPOK(ポポー)は「雲」を意味します。雲のように、身軽に、自由な発想で、子どもたちに愛されるお菓子をつくり、健やかな成長に寄り添いたいと考えています。
カンボジアは、1970年ら20年あまりにわたり続いた内戦により、経済、社会的な発展に大きな影響を受けました。近年では、2011年以降のGDP成長率の平均は7%と、急速な経済発展を遂げていることがわかります。特に首都プノンペンでは、高層ビルや高級住宅地の建設が進み、途上国とは思えない様相を呈しています。他方では、しかし、人口の8割近くが住む農村部では、こうした経済、社会発展の恩恵は薄いのが現実です。
(左:高層ビルの立ちながらプノンペンの様子、 右:プノンペンから15kmほど離れた農村の様子)
カンボジアの抱える社会問題のひとつに、子どもの栄養不良があります。5歳未満児の子どもの22%が慢性的栄養失調を示す「低身長」であるとされています。また、上述の通り、主に都市部では急速な経済発展とともに、食生活の変化も見られます。太り過ぎの子どもの割合は、5歳未満児の4.1%(首都プノンペンに限れば5.8%)と、日本の同年齢の子どもの割合よりも高くなっています。
カンボジア政府や国際支援機関は、これを深刻な問題と捉え、長年の国家重点政策として5歳未満児の低栄養の改善に取り組んできました。これに加え、2017年には、学齢期の子どものための食事摂取基準を公表したり、現在は、2025年からの栄養教育の開始に向けた準備を進めています。
カンボジアでは、街中や学校の屋台で駄菓子が売られており、スナック菓子、インスタントヌードル、揚げ物やエナジードリンクが、子どもたちの周りにあふれています。私たちは、子どもたちが、こうした食の安全や栄養をほとんど考慮されていないお菓子や飲料を多く消費していることに注目しました。
(小学校の売店で売っている飲料や揚げ物のおやつ)
そこで、NOM POPOKでは、現地の栄養豊かな食材を使って、健康的なお菓子を作ることを始めました。健康的なお菓子の選択肢を増やしたいと思ったからです。また、こうしたお菓子を通して、栄養や健康的な食生活の大切さを伝えたいと考えています。そのために、学校にお菓子を届けるだけでなく、食や栄養に関する基礎的な知識を教える栄養授業も実施しています。これらの活動を通して、子どもやその親が、食生活全般において健康的な選択ができるようになることを、そして長期的にはカンボジアの子どもたちの栄養状態が改善することを目指しています。